第8.国民の意思に反する登記所の統廃合の反対

 司法制度改革の理念は、「国民に身近で利用しやすい司法の実現」である。司法書士の簡裁代理権付与もその具体化のひとつである。同様に、過去3,000余ヶ所の登記所が全国に設置された歴史的事実も、「利用する国民にとっての利便性」を考慮してのことであった。しかし、平成20年度には全国の登記所がオンライン指定庁となったが、これにより登記所の窓口が際限なく少なくなってもいい訳ではない(平成22年2月1日現在473庁。商業登記取扱庁は近い将来50ヶ所(同366庁)にするとも言われている)。
 法務省は、平成7年民事行政審議会答申による新統廃合基準(適正配置基準=①年間登記申請件数1万5千件未満 ②受入登記所まで公共交通機関・自家用自動車でおおむね30分以内のいずれかに該当するもの)及び、平成11年4月27日の閣議決定「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本的計画」による登記所縮減目標(新統廃合基準に基づき平成17年ころまでに民事行政審議会答申時の登記所数(1003か所)の概ね半分程度まで縮減を図る)に従って統廃合を進め、相当期間とされる10年が過ぎた現在、目標を達成しているが、今後も現地調査事務の大幅削減による法務局職員の削減と登記所の統廃合が進められると予想する。

 行政サービスは国民の為に行われるものである。登記所の統廃合も住民の利便性を損なうことになってはならない。統廃合計画やその実施にあたっては、住民や専門家である司法書士・土地家屋調査士等の意見を十分に聞くことが民主主義の理念に叶うものと言えよう。それが地方だけでなく都市部に於いても前記の適正配置基準さえ守られず、削減目標達成の為としか思えない統廃合が進められていた。
 更に、廃庁地域の住民の利便性確保の方策として、証明書等の発行についても司法書士・土地家屋調査士事務所からオンラインによる交付を可能にしたり、また長い間慣れ親しんできた登記所の庁舎は「法テラス」などに活用することにより、何時でも、何処でも、誰でもが利用できる司法過疎対策の拠点にすべきである。
 当政治連盟は、法務局・支局・出張所の今後の果たすべき役割を視野に入れ、証明書のオンライン交付の実現や平成7年民事行政審議会答申の厳格な運用を求めるなど、国民の立場に立って運動を展開する。